『腰が硬い!!』
こんにちは。
メディカルフィットネスViPro-ヴィプロ-代々木上原、理学療法士の国沢です。
少しずつ暖かくなってきていますが、花粉症の方にはつらい時期になってきましたね。
また新型ウィルスもありますので、感染予防をしながら免疫力を高めていきましょう。
今回は、年度末になり、お仕事が忙しくなってきて座りっぱなしという方が増えてきていますので、
「腰の硬さ」についてかきました。
目次
◯腰まわりの解剖
腰は脊柱を構成する1部位で、脊柱は上から頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)、仙骨(1個)となります。それぞれ、頚椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯、仙骨は後弯という生理的な弯曲(S字カーブ)を作っています。脊柱のS字カーブは人間が起立歩行するようになった過程で作られ、足から頭への衝撃を吸収し、上半身の柔軟な動きを可能にしています。
腰椎は、上半身を支えると同時に下半身から伝わる衝撃を受け止めるという役割を持っていますので、とても負担のかかりやすい部位です。そのため、腰椎はもっとも幅広く大きなかたちをしています。さらに大きな筋肉や靭帯があることで負担を分散しています。
腰椎の椎体と椎体の間には椎間板と言われる軟骨があり、その前面には前縦靭帯、後面には後縦靭帯があります。また後方には脊柱管と呼ばれる骨で囲まれたスペースがあり、その中を神経の束が通っています。
さらに腰椎を安定させるために、前面には腹筋群(腹直筋・腹斜筋・腹横筋)、後面には背筋群や広背筋、外側には腰方形筋や大腰筋、上面に横隔膜があります。
◯腰の機能・働き
脊椎(腰)の大切な働きは大きく分けて3つあります。
①「体を支える(支持)」
②「体を動かす(運動)」
③「神経の保護」
①体を支える支持機能について。
支持機構として、「骨(椎体)」、「椎間板」、「椎間関節」、「関節包」、「靭帯」、「筋肉」があります。その中で、椎体は縦方向の支持、椎間板や椎間関節はねじれ方向の支持、靭帯はその靭帯によって前屈や後屈、回旋の支持機構として働いています。
筋肉に関しては、腹筋群(腹直筋・腹横筋・外腹斜筋・内腹斜筋)があり、背筋群と協同して働くことにより体幹を支持しています。また腹筋が腰を安定させる機序として、腹圧を高めるという腹横筋の役割が大切になります。背筋群に関しては、小さな筋肉がたくさん繋がることでその支持に関与し、腹筋群との協調して働くことでさらにバランスよく支持性を高めることができます。
②体を動かす運動について。
腰はその関節の形状から屈曲(曲げる動き)、伸展(反らす動き)に可動性が大きく、回旋(捻じる動き)、側屈(横に曲げる動き)は可動性が小さくなっています。人によって個人差はありますが、回旋可動域は腰全体でも10度程度と言われています。なので、スポーツ時によく言われる「腰を回して!」という表現は、実際には腰ではなく「胸椎」や「股関節」を回すというのが正しいかと思います。故に腰を過剰に捻ることは痛みの原因ともなりやすいです。
また腰椎には生理的な前弯があり、その前弯のしなりによって歩いたり走ったりした時の衝撃を吸収し緩和させています。
③神経の保護について。
腰椎には肋骨や骨盤のような囲まれた骨がないため、腰椎自体に大きな力がかかってきます。その構造から頚椎や胸椎と比べると、椎体自体が大きくなっており椎体の中央に通っている脊髄という大切な神経を保護しています。さらにその構造や大きな負担がかかるという特徴から、腰背部の筋肉が発達していて、神経にかかる衝撃ストレスを緩和しています。
つまり「腰」は、骨・関節・椎間板・筋肉などそれぞれの役割がしっかり成立することで、前方にある内臓や脊柱管を通る神経を保護し、体重を支えながら動くという運動を行っているのです。
◯腰が硬いことによるデメリット
腰が硬くなるパターンは大きく分けて2つあります。ひとつは腰が丸くなって硬くなるパターン。もうひとつは腰の反りが強くなって硬くなるパターンです。
腰が丸く硬くなってしまうと、「腰椎椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」になりやすい傾向です。
腰が丸くなっている方の特徴は、「腹筋が弱い」「お尻やもも裏の筋肉が硬い」「猫背」「側弯」です。なので、改善方法としては特徴の逆で、「腹筋を鍛える」「お尻ともも裏の筋肉をストレッチする」です。
また腰の反りが強くなってしまっている方は、「腰椎椎間関節症」「腰椎椎間関節炎」などになりやすい傾向にあります。反り腰になってしまう方の特徴は、「腹筋が弱い」「腰部の筋肉が緊張している」「股関節の付け根の筋肉(腸腰筋)が硬い」「もも裏の筋肉が弱い」などが挙げられます。
どちらのパターンにも言えることは、「腹筋の弱さ」と「股関節の硬さ」です。
つまり「腹筋を鍛えて、股関節を柔らかくする!」。これが腰を硬めている解決法と言えそうです。
◯腰が硬くなる原因
これまで「◯◯が硬い!」シリーズのブログを読んでいただいた方はもうおわかりかと思いますが、筋肉や関節などが硬くなってしまう大きな原因は、不動でいること。つまり長時間同じ姿勢でいることが原因になります。腰の場合は、座っている時間が長いと腰が丸くなりやすく、立っている時間が長いと反り腰になりやすい傾向があります。それに伴って、筋肉が衰えていき、柔軟性が低下していくのです。
腰の場合はその他に体型の変化が顕著に影響しています。例えば女性であれば妊娠による体型の変化が原因となる場合もあります。その他に太ってお腹が出てきてしまうことも影響します。
◯腰を柔らかくするストレッチ
・腰、骨盤の回旋ストレッチ
脊柱を捻ることで筋肉だけではなく、椎間板の動きも良くなっていきます。また股関節・骨盤・腰椎・胸椎の連動性を高めることができます。呼吸は止めずに、痛みのない範囲で行いましょう。
・膝抱えストレッチ
両膝を抱え、体を丸めていくことで腰背部の筋肉をストレッチしていきます。特に反り腰で腰の筋肉が硬くなっている方にオススメです。
・キャットストレッチ
背骨全体を丸めたり反ったりするストレッチです。腰を意識すると丸めたときに腹筋が収縮してトレーニングにもなります。丸めるか反らすかどちらかのものではないので、長時間同じ姿勢で腰が硬くなってしまっている方にオススメです。
・座位四股ストレッチ
骨盤を前傾させながら腰の動きを高めていきます。股関節の柔軟性も高めることができるストレッチです。
◯まとめ
「腰」は字の通り、体の「要」と書きます。「腰」は体の中心なので、軸としての安定性が必要。動きとしての柔軟性が必要。前方には内臓があり、それも守らなければならない。などたくさんの役割を担っています。
また人によって腰の硬まり方が様々。というようにかなり複雑な部位です。
闇雲にトレーニングやストレッチでは逆に痛めてしまう可能性もあります。
もし硬くなってしまっている原因やエクササイズを続けているのに改善しない方は一度専門家に相談する事をオススメします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
◯メディカルフィットネス ViPro-ヴィプロ- 代々木上原
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