『股関節が硬い!!』
こんにちは。メディカルフィットネスViPro-ヴィプロ-代々木上原、理学療法士の国沢です。
寒い日が続きますが、体調はいかがですか?体は硬くなっていませんか?
今回は「股関節の硬さ」について解説していきます。
目次
◯股関節の解剖
股関節は体幹と下半身をつなぐ大切な関節です。骨盤と大腿骨の間にあるのが股関節で、骨盤の寛骨臼が大腿骨骨頭の約3/4を包み込んでおり、関節を安定させています。さらに大きな関節包や靭帯がありより安定性を高めています。
さらに股関節は安定性を保ちながらも、曲げたり伸ばしたり、開いたり閉じたり、回したりすることができる自由度の高い関節です。それは股関節の周りにある大きな筋肉や小さな筋肉が可能にしています。そしてそのたくさんの筋肉が協調して働くことで、脚を前後左右などに自在に動かすことができます。
◯股関節の機能・働き
股関節は体の中でも大きな関節で、体幹を支えることと下半身を動かすという重要な機能を担っています。股関節には普通に歩くだけでも体重の3~4倍の力がかかると言われています。この力を支えられるように股関節のまわりには筋肉や腱・靭帯などで全体を覆っていて、安定性を保ったままいろいろな方向に動かすことができます。
股関節の機能を正常に維持するためには、関節の骨に負担をかけすぎないようにしながら、まわりの筋肉を鍛えておくことが重要になります。
また股関節を柔軟に保つことで、膝や腰への負担を減らすことができます。
股関節の周りの筋肉は柔らかくて強い筋肉であることが求められます。
◯股関節が硬いことによるデメリット
股関節は体の中でも大きな関節で、立つ・歩く・座る・走るなど日常の基本的な動きを担っている重要な関節です。股関節が硬いと姿勢や動作に大きな影響が生じる可能性があります。
1.姿勢が悪くなる。
股関節は様々な方向へ動かすことのできる自由度の高い関節で、人それぞれ硬くなる方向は異なります。また硬くなる歩行によって姿勢の悪くなりかたも違ってきます。傾向として、股関節が後ろに伸びにくく硬くなっている方は、どんどん曲がってきてしまいますので、腰が丸くなってきたり猫背になってきたりします。逆に股関節の曲がりが硬くなっている方は、腰が反って「反り腰」になってしまう方が多いです。
股関節は姿勢良く座る、姿勢良く立つために重要な関節です。
2.歩き方が悪くなる。
股関節が硬い方の特徴的な歩き方は「歩幅が狭い」です。歩いているときに足を前に大きく振り出すこともできなければ、後ろに大きく蹴り出すこともできなくなります。また歩いているときに骨盤を水平に保つことができなかったり、下半身のO脚やX脚の原因にもなっていきます。
歩くことは片脚立ちの連続です。その片脚立ちをバランスよくするためには股関節の機能が欠かせません。キレイな歩き方のためには股関節の筋肉を柔らかくして、バランスよく働くようにする必要があります。
3.膝や腰に負担がかかる。
人間の体はとても優れています。股関節が硬くなったぐらいでは、歩けなくなったり立てなくなったりすることはほとんどありません。股関節が少しぐらい硬くなって正常な機能が多少果たせなくなっても、ほかの関節や筋肉がカバーしてくれます。わかりやすく言うと、股関節がサボっている分、ほかの部位が頑張ってカバーしてくれるのです。特に隣の部位が頑張ってくれることが多いです。つまり股関節が硬くなると隣の腰や膝が頑張ってくれるのです。しかし、膝には膝の、腰には腰の役割もあります。股関節の役割まで背負ってしまうとそれが負担になり、痛みの原因になってしまうことが多々あります。
もしかすると、ひざ痛や腰痛の原因は股関節にある可能性もあります。
4.トレーニング・パフォーマンスが落ちる。
上半身のみを鍛えたり、上半身しか使わないスポーツがあれば別ですが、股関節が硬くてうまく機能しないと、トレーニング効率やパフォーマンスは落ちてしまいます。
例えばスクワットトレーニング。股関節をしっかり曲げて重心を下げることが基本になります。やはりその際に股関節があまり曲がらないと、重心がずれて膝や腰に負担をかけてしまいます。その結果痛みの原因になってしまったり、狙った筋肉がうまく働かなかったりとトレーニング効率を下げてしまいます。スポーツのパフォーマンスではわかりやすいのが、例えばバスケットの守備や野球の守備の時の姿勢です。相手がきたりボールがきた時には瞬発的に動く必要があります。その時に股関節の筋肉が硬く機能が落ちていると、多くの筋肉が使えなくなるので、その分動き出しに時間がかかりスピードが落ちてしまいます。
よくスポーツの世界では「膝を使え!」とか「膝を柔らかく!」ということがよく言われますが、「股関節を使え!股関節を柔らかく!」も大切です。
5.下半身の血流が悪くなる。
股関節の前面には「鼠径リンパ節」という部位があり、股関節前面の筋肉が硬くなってしまうとこの「リンパ節」を圧迫してしまう可能性があります。その結果リンパの流れが悪くなり、体の中の老廃物をうまく流せなくなり、むくみなどの原因となることがあります。
また股関節には下半身にとって重要な「大腿動脈」という大きな血管が通っています。これも筋肉が硬くなることでその動脈を圧迫してしまい、血流を悪くしてしまいます。
さらに血流ではありませんが、坐骨神経という太い神経も股関節の後面を通っています。坐骨神経痛という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、股関節の筋肉(特に殿部の筋肉)が硬くなることで坐骨神経痛と似た症状を出すこともあります。
これだけ股関節の硬さはいろいろなところに悪影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。
◯股関節が硬くなってしまう原因
「私は子供の頃から生まれつき体が硬いんです。」という方が時々いらっしゃいますが、筋肉や関節が硬くなってしまうのは、生まれつきではなく長時間同じ姿勢でいることが原因であることがほとんどです。仕事での立ちっぱなしや座りっぱなし、体を動かさないことによる活動量の低下が考えられます。そしてその活動量の低下により筋力がどんどん劣ってきてしまうと股関節への負担が大きくなりさらに硬くなっていきます。さらに筋肉の力だけでは支えられなくなってくると、骨でも支えるようになり股関節の軟骨が減っていったり、関節自体が変形してきたりします。軟骨が減り、変形までしてくるともう関節が硬いというよりは関節が動かないというような感じになってきます。
軟骨の摩耗や関節の変形が起こる前に関節や筋肉を柔らかくし、鍛えておく必要があります。
◯股関節を柔らかくするためのエクササイズ方法。
・殿筋のストレッチ
股関節後面の筋肉のストレッチです。座っている時間が長い方ほど硬くなりやすい筋肉です。またこの殿部の筋肉の奥に太い座骨神経が通っていますので、この筋肉を柔らかくしておくことは座骨神経痛の予防にもなります。
・腸腰筋のストレッチ
股関節前面の筋肉のストレッチです。股関節前面には鼠径リンパ節や大腿動脈も通っていますので、腸腰筋を柔らかくすることで下半身の血流もよくなっていきます。また腸腰筋が硬くなると歩くときの蹴り出しが弱くなり、歩幅が狭くなったり、歩き方が悪くなったりしてしまいます。
・座位四股ストレッチ
股関節の噛み合わせ改善と内側の筋肉のストレッチになります。股関節は骨盤と連結していますので大きく動かすことで股関節が柔らかくなります。内側の内転筋が硬くなるとX脚になりやすかったり、股関節が開きにくくなってきてしまいます。
◯まとめ
股関節は体幹と下半身を繋いでいる大切な関節です。股関節が柔らかいことで、歩きなどの動きがスムーズになります。また硬くなると腰痛やひざ痛の原因になりやすい部位です。
人体の中では、大きな安定性と大きな動きを求められる部位ですので、その筋肉の働きが重要になりますので、股関節のケアは欠かさず行うようにしてみてください。
◯メディカルフィットネス ViPro-ヴィプロ- 代々木上原
『ゆるめて、整えて、鍛える。これからを楽しむためのカラダ作り。』
運動が苦手だったり、ケガや病気が心配な方のために作ったフィットネスです。
しばらく体を動かしていなくて、動くとすぐに疲れるといったことはありませんか?
肩こりや腰痛、関節の痛みなどはどうでしょう?
体が硬くて、そもそも運動が苦手だったりしませんか?
「運動は始めたいけど、スポーツジムはちょっと・・・」というあなたへ。
運動が苦手でも、ケガや病気が心配でも大丈夫。
メディカルフィットネスViPro-ヴィプロ-は経験豊富な理学療法士があなたをマンツーマンで徹底サポート。
医学的な視点で、あなたのカラダに合わせた、あなただけのプログラムをご提供致します。
<アクセス>
小田急線・千代田線「代々木上原駅」東口より徒歩5分
小田急線「代々木八幡駅」より徒歩5分
千代田線「代々木公園駅」八幡口より徒歩5分
〒151-0062
東京都渋谷区元代々木町10-8 代々木上原tt 3階
営業時間: 9:00 ~ 20:00(最終受付19:00)
休業日:日曜日
TEL:03-6868-5793
Mail:professional.life.2014@gmail.com