2020.7.12 女性のミカタonlineセミナー <活動報告>
こんにちは!
理学療法士の早川です^_^
7月12日(日)に女性のミカタonlineセミナーを開催しました✨
前回の6月7日(日)から2度目のオンラインセミナーとなります。
今回のメインテーマは船水先生の「更年期女性のメンタルケア」✨
相変わらず抜群の安定感で、オンラインでも船水先生のオーラがガンガン伝わってきました❗️
また、機会がありましたら出演をお願いしますので、まだ講演を聴いたことのない人は
次こそはぜひご参加ください!
私はというと、「更年期のメカニズム」について解説させて頂きました。
このブログでも講座の内容を少し振り返りたいと思います。
まず、結論から言うと
更年期障害の原因は「フィードバック機構における卵巣機能とホルモン分泌のギャップ」になります。
どういうことかできるだけ分かりやすく解説していきます。
まずは更年期障害の原因に関わるホルモンを確認しましょう。
・性腺刺激ホルモン放出ホルモン
・性腺刺激ホルモン
そして
・エストロゲンとプロゲステロンです。
エストロゲン、プロゲステロンは主に卵巣から分泌されますが、
これは下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンを受けて分泌されます。
性腺刺激ホルモンはさらに上位の視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモンを受けて分泌されます。
そして視床下部や下垂体は卵巣からのホルモンの分泌量の情報をもとにコントロールしています。
卵巣はホルモンの分泌量をチェックし、
脳にある視床下部や下垂体へ情報をフィードバックをすることで
エストロゲンやプロゲステロンの分泌をコントロールしています。
更年期障害では、卵巣機能の低下によってホルモンの分泌が減少します。
ホルモンが足りないという情報をフィードバックし、刺激ホルモンの分泌を増加させます。
性腺刺激ホルモンや性腺刺激ホルモン放出ホルモンの量を増やして、
卵巣にホルモンをもっと出せと指令します。
しかし、卵巣機能の低下によってホルモンの分泌量は増やせません。
「足りない、もっと出せ、出ない」、「足りない、もっと出せ、出ない」という悪循環になります。
これが更年期障害のメカニズムです。
更年期では卵巣機能が低下しているため、女性ホルモンの分泌が減少します。
フィードバック機構によって脳(視床下部や下垂体)が女性ホルモンの分泌を促す刺激ホルモンを増加させるものの、
女性ホルモンの分泌は増えず、悪循環になってしまうことが原因です。
また、更年期障害の原因は女性ホルモンの減少だけでなく、
日常の環境の変化やご本人の性格も影響すると言われています。
教科書的には女性ホルモンの減少、日常の環境の変化、性格の3つですが、
更年期障害を自律神経機能の問題という大きな枠組みで捉えると他にも原因はあると思います。
その中で大きな原因の一つは
「体力」です。
自律神経機能の改善に運動が効果的なことは経験的にも論文的にも実証済みだと思います。
では、運動によって何が向上するのか?
それが「体力」になります。
体力と一言で言っても様々な概念、考え方がありますが、
その中でも大切な指標が「WBI」になります。
WBIはウエイト ベアリング インデックスの頭文字を取ったもので、
日本語で「体重支持指数」と言います。
重力に対する運動機能を表します。
簡単にいうと、「自分の体重をどれくらい自分の筋力で支えられているのか」になります。
WBI100というと自分の体重をしっかりと自分の筋力で100%支えられている状態になります。
100を超えてくると老化ストップと言われ、社会生活上の問題点はほとんど発生しません。
100%を下回り、80%までは安全な日常生活と言われ、
ちょっとした油断、生活のストレスなどが蓄積すると、
肩こりや腰痛などが出現する可能性が高くなります。
自分の体重を80%支えられなくなり60%まで筋力が低下すると、
日常生活の限界と言われ、通勤などで体力の衰えを感じ、
慢性的な疲労や心身のストレス状態があります。
そして、60%以下になると、日常生活をしているだけで体にストレスがかかる状態になってしまいます。
また、体重の40%も支えられなくなるほど筋力が低下すると杖が必要となります。
WBIは、最大筋力を体重で割ることで算出します。
正確に計測するには機器が必要ですが、簡易的な検査として片足の立ち上がりテストがあります。
片足立ち上がりテストは、立ち上がる台の高さによってWBIを検査します。
台の高さが低くなるほどWBIを高く評価します。
身長による差があるので、身長170cm未満と170cm以上で台の設定が変わります。
ちなみに一般的な椅子の高さが40cmくらいで、WBI60相当となりますので、
お時間のある時にぜひチャレンジしてみて下さい。
体力と自律神経の関係として、
WBI80未満の低体力者は日常動作で無酸素性代謝になり、
交感神経優位の状態になると言われています。
詳しくはまたの機会にお話致しますが、
自分の筋力で体重の80%を支えられなくなると、自律神経のバランスが崩れやすくなってきます。
これは私が以前研究したものですが、
更年期女性の体力WBIと更年期症状の度合いを比較したものです。
更年期症状の評価はSMIという指標を使っています。
縦軸がSMIで上にいくほど症状が強いことを表しています。
横軸がWBIで右に行くほど体力が高いことを表しています。
研究では、やはり体力が高い人ほど更年期症状が少ないという結果になりました。
また、WBI80を境目に更年期症状が低くなる傾向も出ています。
なので、更年期障害の原因には女性ホルモンの減少だけでなく、
自律神経機能の問題と大きな視点で見ると、
体力も大切な要素と考えることができると思います。
更年期障害の代表的な治療は
HRTとなります。
HRTは
Hormon(ホルモン)
Replacement(補充)
Therapy(療法)
の頭文字をとったもので
日本語で言うとホルモン補充療法になります。
HRTについては次回、HRTの基礎講座として詳しく解説していきたいと思います。
HRTはリスクとベネフィットを正しく理解することが大切です。
更年期症状でお困りの方は、まず一度、婦人科へ受診されることをおすすめします。
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